本稿では、副詞節に生じるムード表現の性質を探る。まず、英語の条件節に焦点を当て、そこにムードを表す副詞が生じないことをみる。そして、この事実が、Rizzi(2004)の素性によって定義される相対最小性から導かれることを示す。次に、この考えを関係詞節に拡張する。さらに、日本語の条件節に焦点を当て、この事実が、井上(2006, 2007)およびKrapova and Cinque (2005)の論じる真性モーダルと疑似モーダルの特性を考慮することにより、英語と同様に、素性によって定義される相対最小性から導かれ